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2010年10月 アーカイブ

アメリカの経済 6 

82年末までの景気の後退とその後の力強い景気の回復により、現実の経済の動き以上に将来の収益の期待が大きく変化したものと思われます。


日本についてみると、金利修正済PERが85年から86年にかけて落ち込んでおり、この時期に為替調整を受けて景気の先行きの期待がかなり悪化したことがわかります。


しかし、このような企業収益の先行きの悪化期待にもかかわらず、金利の低下等もあって、現実の株価は若干上昇傾向が緩やかになったに留まっています。


また、日米ともに87年7~9月期に株価のピークがありますが、これは金利修正済PERでみるとさらに急激な上昇、低下となっています。


この時期には特に将来にわたる景気ないし企業収益等の期待を大幅に変更させる要因もないことから、この大幅な動きは第一次接近値には考慮されない期待の要因が働き、やや過熱気味だったことが推測されます。


以上のように、一部の時期を除けば、株価は基本的には企業収益と金利によって説明されるということができます。


当期の配当を金利で割り、その傾きとレベルを調整して、第一次接近値としてのアメリカの株価をおおまかに推計したものがあります。


これをみると、推計値には期待の変化が考慮されていないため、期待が大きく変化したと思われる80年代前半には、現実値と推計値に幾分乖離がみられます。


しかし、87年に入ってからの動きを除けば、推計値はおおむね現実の動きに沿ったものとなっています。

アメリカの経済 7 

ここで、株価の上昇テンポが速まった85年以降の動きを、この推計値をもとに配当要因と金利要因に分解してみます。


すると、85~86年の株価の上昇には金利要因がかなり大きく働いていることがわかります。


しかし、87年には金利の上昇を受けて、金利要因は株価を引き下げる方向に働いています。


配当要因は87年にも引き続き株価を引き上げる方向に働いていますが、両者を合わせた動きは、87年4~6月期以降下落に転じており、7~9月期まで上昇を続けた現実の株価と大きく乖離しています。


また、87年10~12月期には、現実の株価は10月の大幅下落によって、第一次接近値の方向に大きく調整されていることがここでも確かめられます。


日本以外でも、アメリカ、イギリス等では不動産価格の上昇が目立ってきていますが、こうした不動産の価格も資産価格め一つとして、これまでと同様に考えることができます。


つまり、不動産価格の第一次接近値は、土地、建物等といった不動産の期待収益の割引現在価値になると考えられるのです。

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