アメリカの経済 6
82年末までの景気の後退とその後の力強い景気の回復により、現実の経済の動き以上に将来の収益の期待が大きく変化したものと思われます。
日本についてみると、金利修正済PERが85年から86年にかけて落ち込んでおり、この時期に為替調整を受けて景気の先行きの期待がかなり悪化したことがわかります。
しかし、このような企業収益の先行きの悪化期待にもかかわらず、金利の低下等もあって、現実の株価は若干上昇傾向が緩やかになったに留まっています。
また、日米ともに87年7~9月期に株価のピークがありますが、これは金利修正済PERでみるとさらに急激な上昇、低下となっています。
この時期には特に将来にわたる景気ないし企業収益等の期待を大幅に変更させる要因もないことから、この大幅な動きは第一次接近値には考慮されない期待の要因が働き、やや過熱気味だったことが推測されます。
以上のように、一部の時期を除けば、株価は基本的には企業収益と金利によって説明されるということができます。
当期の配当を金利で割り、その傾きとレベルを調整して、第一次接近値としてのアメリカの株価をおおまかに推計したものがあります。
これをみると、推計値には期待の変化が考慮されていないため、期待が大きく変化したと思われる80年代前半には、現実値と推計値に幾分乖離がみられます。
しかし、87年に入ってからの動きを除けば、推計値はおおむね現実の動きに沿ったものとなっています。